08:体温調節機能を仕組みから考える

 

近頃エアコンの調子が悪かったので、久しぶりにエアコン取替工事をしました。そして工事をしながら思ったのは「やっぱり人のカラダって素晴らしいなぁ」ってことです。だってね、このエアコンよりも精度の高い温度コントロールを人の体は24時間365日、休まずおこなってくれているんです。そこで本日は人体のエアコン「体温調節機能」についてお話したいと思います。

 

体を冷やす仕組み

まず、エアコンが室温を下げる仕組みってのは、室外機のコンプレッサーで圧縮させた冷媒ガスが、銅管を通って室内機の熱交換器で気化して・・・・(…エアコンが部屋を冷やす仕組みについては省略…)と、いう風に、エアコンで空気が冷やされるんです。

そして、人の体が体温を調節する仕組みはというと、 人の体の暖房機能は、カラダ中央(胴体)のヒーター(筋肉)部分で発熱をおこない、温まった水(血液)を、ポンプ(心臓)の圧力により配管(血管)内を循環させ、全身を温めていきます

また、体温が上がりすぎたときには、冷房機能が働いて、皮膚表面から水(汗)を蒸発させて、気化熱を利用して、体温を効率よく低下させてくれています。

 

 

体温の変化が免疫力へ直接的に影響する

そして体温は少し変化するだけで、免疫力や代謝力、ガン細胞の発生有無などにも影響を与えてしまうため、約±0.5℃という、超シビアにコントロールされています。 このように、いつも私達の体は、温度を上げたり下げたり、私達が元気に活動できるよう、一生懸命に働いてくれています。それだけでも、毎日がんばっている体に感謝したいですね。

しかし、この体調調節機能も、過負荷な状態が続けば、だんだんと正しく働かなくなり、故障の原因となります。 例えば、冷えや低体温、のぼせ、ほてり等の体温異常、さらに、体温異常から女性ホルモンのバランスを乱したり、自律神経バランスや精神バランスさえも乱してしまったり、日々の代謝の中で、がん細胞が増殖しやすくなったり、と様々な病気を招く原因となってしまいます。

そんな体温異常に対して、ただ「冷やす」「温める」という対処だけでは、これらの故障を予防することは難しいといえます。それよりも体温異常の原因となる負担から減らしたいですよね。

 

 

体温異常を起こす原因を考えよう

では、何が体への負担になるのか、エアコンの温度異常が起こる原因から考えてみましょう。

エアコンの場合
まず、エアコンで、「冷房の効きが悪い」と感じたときに多くみられる原因は、フィルターの詰まりだったりします。このフィルターが詰まった状態では、空気が正しく循環せず、冷媒ガスがキチンと気化しないため、冷えないんです。
その時、エアコンの配管内のガス圧力も異常をおこしていたり、室内が全然冷えないことで、エアコンがずっと全力で動き続けて、その状況が続けば、通常よりも早くに故障することとなります。(エアコンのフィルターは小まめに掃除しましょう)
他にも、水を循環させて冷やす「水冷式タイプ」であれば、水を循環させる管に汚れが多くなって循環が悪くなり、うまく熱交換できなくなって、「冷えない」という場合もあり、それを放っておくと、管自体に汚れが付着して詰まったり、水をおくるポンプを故障させることにもつながります。
なので、冷却水が汚れていたら定期的な入れ替えや配管内の汚れを掃除してあげることが必要となります。つまり、温度をコントロールする装置は、正しく「循環」することが大切なんです。
人の体の場合
そして人の体で「循環」するものと言えば「血液」です。つまり、体温異常を起こしている人の殆どが、この血液の循環の悪さにより、正しく温度調節が出来なくなっています。
では、血液の循環が悪くなる原因は、何でしょうか? その原因は血液の「汚れ」であり、汚れが血液中に入ってくる場所が「腸」ということになります。また、腸というと「大腸」のことばかり目にしますが、慢性的な血液循環の悪さを作る原因は「大腸」よりも「小腸」にあります。
実は人が口にした食べ物の栄養は殆どが「小腸」で吸収されていて、水分だって7割くらいは小腸で吸収されているので、腸から取り込む汚れも「小腸」から吸収されてしまう。だから、腸が弱ると血液も汚れて、体温調節が上手に出来なくなるのです。
 

 

腸管フィルターの働き

でも、同じような食事をしているのに、人によって不調が出やすい人、出にくい人って、差がありますよね。それは何故でしょうか?

じつは、腸も無条件で汚れを吸収しているのではなく、本来であれば、小腸の壁(絨毛細胞)がフィルター構造になっていて、この腸管フィルターで汚れを濾過しているので、腸が元気な人ほど、血液中に汚れを取り込みにくいので、不調も出にくいわけです。

しかし、腸が弱って腸管フィルターが劣化したり、穴が開いてくると、食べ物の栄養と一緒に腸管フィルターに染み込んだ汚れまで吸収してしまい、どんどん血液が汚れて、その循環も悪くなるのです。(冷えやムクみ等は血液汚れを教えてくれるサインです)

 

 

体が持つ濾過装置

腸が弱ると血液が汚れ、それが万病の元となる!と言っても、人の体っていうのは二重、三重と濾過装置を持っているので、腸から取り込んだ汚れも、少しくらいなら取り除いてくれます。

その濾過装置が、肝臓と腎臓です。 だから、腎臓や肝臓が弱ってくると、血液の汚れを濾過しきれなくなって、浮腫みや肌荒れ、女性ホルモンや自律神経の乱れ等、様々な不調がどんどん出てくるようになるんです。

でも、そんな血液循環の悪さから不調に至った時、どんなケアを選択していますか?腎臓や肝臓を元気にする漢方などのお薬?血圧を下げるお薬?女性ホルモンを投与?それらの方法って、本当の意味で不調を改善できていますか?

 

 

血液汚れが万病の元なら血液を汚さない方法を考える

例えば、体を機械的に考えると、水が汚れて配管(血管)が詰まってきたら、ポンプ(心臓)の圧力が上がる(血圧が上がる)のは当たり前のこと。それなのに水の汚れは無視したまま、薬品でサラサラにして、とりあえず流れるようにだけしてみても、汚い水が全身を流れている状況は何も変わっていません。

それよりも、本当なら、水(血液)自体に汚れを入れないようにして、どんどん綺麗な水と入れ替えるほうが良いですよね。つまり、不調の連鎖を本気でなんとかしたいなら、「出てくる症状をただ抑えるだけ」の対処よりも、血液循環が悪くなる原因となる「血液の汚れ」を取り込まないことの方が大切なんです。

そして、血液中に汚れが入ってくる場所が「腸」ですから、様々な不調の原因から改善するためには、「腸」を正しくケアしていくことが一番なのです。これを機に腸から健康を考えてみませんか。

 

筆者 美腸セラピー 松下先生

美腸セラピースクール
NPO法人健康増進技術協会 理事長
先生の施術は⇒【 salon-HP
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2020年03月24日