25:バランスが大事!

 

最近は、メディアに「腸」の事が取り上げられる機会も増え、腸の大切さが広まっていることは、とても嬉しく思います。 しかし「腸にはコレが良いですよ!」と特定の商品を過剰に勧める内容のものも増えていて、それが逆に腸を弱らせていることもあるので、本気の不腸で悩む方は、あまり情報に振り回されないようにご注意くださいね。

じつは腸に負担となるもの

便秘の人にヨーグルトは勧めない
ある番組で「便秘の名医」と紹介された方が、便秘の人に「ヨーグルト」を勧めないというお話をしていました。 私も便秘の状態によっては「ヨーグルト」を食べない方が良いという意見ですから、その点は問題ありませんが、この医師が話した理由は「ヨーグルトは冷たいから、お腹も冷やすのでよくない」とのこと。
でもそれなら「ヨーグルト」に限らず、冷たい物全てが便秘の人に対して「食べちゃダメ」ということになってしまいますので、美腸セラピー視点で正しい理由を説明したいと思います。

ヨーグルトは負担になる
排便ケアに関する資料などにも書いてあることですが、その中に例えば、下痢の時には「刺激物を避ける」とあります。そして、その刺激物の中には、「牛乳や脂肪」も含まれます。
つまり、その2つが含まれる「ヨーグルト」は、刺激物なんです。だから、その刺激で便が出やすくなる人もいるでしょうけど、痙攣性と言われる自律神経の弱りが伴うような便秘の方には逆に負担となってしまうのです。
なので、ヨーグルトは発酵食品の1つとして、好きで食べている方は問題ないですが、「腸のため」と無理に食べている方は、別に食べなくても良いですよ。

オリーブオイル
便秘解消に役立つ食材として、最近よく紹介される「オリーブオイル」も、これ自体は身体に良いし、直腸性(習慣性)便秘の方なら、オリーブオイルの力で便も流れやすくなり、排便を助けてくれることにも繋がります。
しかし、何事も度が過ぎると負担になるもので、例えば、弛緩性便秘や痙攣性便秘の症状をお持ちの方なら、その便秘は、小腸の弱りが排便トラブルの原因となっている為、 過剰なオイル摂取により、内容物が滑りすぎる状況であると、食べ物を消化吸収する小腸が、ただでさえ弱っているのに、その滑りで余計に栄養の吸収を阻害する恐れもあります
栄養の吸収が、阻害された状態が続いていると、その事で、さらにホルモンバランスを乱したり、自律神経を乱したり・・・ そうなってくると、そのオイルによって便は出せたとしても、腸の弱りは改善されない上に、栄養の吸収効率も低下していき、逆に不調の連鎖の深みにはまっていく・・・なんて事も考えられます。

便秘情報の共通問題
そして、多くの「便秘」に関する番組で共通して言えるのが、便秘にどう作用しているかのお話で、殆ど大腸の事しか言いません。
つまり、便を出す方法ばっかりを紹介しようとしているのです。 そこが一番の問題だと思います。
何故なら便秘の状態とは、腸が弱っているサインなわけですから、ただ便を出すだけの事を考えるよりも、大切なことは「腸を元気にする」こと
そして、腸を元気にしたいなら、必要なのは「腸に良さそうな何かを摂る」ということではなく、便秘で悩む貴女の腸に今、何が負担になっているのかを考えて、その「腸に負担となっている何かを減らす」ということです。


情報に振り回されない考え方

二者択一で考えない
健康を考える上で、食材や生活習慣等について、それが「良いもの」なのか、それとも「悪いもの」なのかを2択で決めようとする人も多いのですが、そこにも注意が必要です。
例えば、どれだけ良い食品であっても、食べ過ぎれば負担となりますし、腸内腐敗をもたらすと言われる食品であっても、まったく食べないことで、身体がシンドクなる場合もあります。
生活習慣に関しても同じで、運動は健康にとって大事な要素ですが、眠りも浅く疲労もとれない状況では、無理に運動すれば負担となる。 また、嫌だと思う事も程々であれば、身体にとってプラスとなるストレスになるし、どれだけ好きでやっている事も、過剰になれば身体には負担となります
大切なのはバランス
つまり「何事もバランスが大事」だということ。そういえば昔から良い言葉があります。
過ぎたるは、なお及ばざるが如し」。何事も程々が肝心で、やり過ぎることは、やり足りないことと同じように良いこととは言えない。良いと言われることでもやり過ぎは害になる、ということ。
伝統医療の世界では「中庸」という言葉があります。これは過不足なく調和がとれていることが良いという意味で、過大と過小の両極端を悪徳とし、徳は正しい中間を発見して、これを選ぶことにある。
仏教用語では「中道」という言葉もあり、これは、お釈迦さんが厳しい苦行の末、いくら厳しい苦行を重ねても、これでは悟りを得ることができない、として苦行をすて、中道を悟った。ということから、対立または矛盾しあう両極端の立場を離れ、どちらにも偏らない中正な立場を表します。
いい加減を知る
このバランスこそ、美腸セラピー理論の中心部分で、関西人の私が言うなら「いい加減」が大事となります。
これは別にデタラメな食事や生活という意味ではなく、その人の状態にとって「ちょうど良い加減」を知ることで その良い加減を見つけて、実践していければ、身体もどんどん元気になっていきますよ。
もちろん、便秘や下痢をはじめとした様々な不調も改善していきます。
そして、あなたにとっての「良い加減」がわからない時は、ご相談下さい。美腸セラピーで、あなたの「ちょうど良い加減」を一緒に見つけていきましょう。その不調「本気でなんとかしたい!」という方の全国からのご来店をお待ちしています。

 

筆者  美腸セラピー 松下先生

美腸セラピースクール
NPO法人健康増進技術協会 理事長
先生の施術は⇒【 salon-HP
講座の情報は⇒【 school-HP

 

2020年01月04日