40:落下腸マッサージの注意点
テレビ番組でも取り上げられることがある「落下腸」ですが、セルフケアの誤った方法が紹介されていることもあるので、本日は「落下腸マッサージ」の注意点についてお話します。
落下腸とは
「落下腸」というのは、生まれた時から大腸が固定されていない方で、腸内の便が溜まりすぎると、その便の重みにより腸が垂れ下がって伸びてしまい、便を送り出しにくくなって酷い便秘になる状態を指すようですが、
実際の施術の現場で感じるのは、そんな先天性のものではなく、年齢によるくたびれや、下剤による腸機能の低下などよって、腸の筋力が落ちて伸び、位置も下方へ降りてくるケースが大半なのでは?と思います。
テレビで紹介されていた方法
落下腸の方が増えているのに合わせ、テレビでも「落下腸マッサージ」という名称で、自分でケアする方法を紹介していたりします。例えば、その方法として次のような内容がありました。
①仰向けに寝ころび両ひざを立て腰の下にクッションをおく
②下腹部から上へ両手で腸を押し上げていく
③その後お腹を、つつくように刺激していく。
落下腸が原因となる便秘に限らず、腸を適切に刺激してあげることは良いことですが、しかし上記の方法などでは逆に腸へ負担となることも考えられますので、美腸セラピー視点でセルフケア時の注意点を3つ、ご紹介します。
セルフケア3つの注意点
- 注意1:つついちゃダメ
- テレビで紹介していた「落下腸マッサージ」の方法で、腸を持ち上げる動作は、問題なく行っても大丈夫ですが、腸をつつくような動作は、過敏性、痙攣性の便秘の方は、過剰な刺激になる可能性があるので、注意が必要です。
- 何故なら、お腹(腸)は、とてもデリケートですから、突くような細い刺激を与えると、腸は緊張してしまい、弛緩性や習慣性の便秘の方なら、その刺激により排便が促されることもありますが、
- 過敏性や痙攣性の症状を持つ方が、これを行うと、ただでさえ、普段から緊張状態が続いてる腸に、その突くような刺激で、さらに過緊張状態になり、酷い人なら吐いたり、目まいがしたり、苦しくなったり、ということもあるので、ストレスや自律神経の影響を受けている方は、つつくのは止めておきましょう。
- 何故なら、お腹(腸)は、とてもデリケートですから、突くような細い刺激を与えると、腸は緊張してしまい、弛緩性や習慣性の便秘の方なら、その刺激により排便が促されることもありますが、
- 注意2:腸は早い動きが苦手
- それと、「早い動き」というのも、腸は警戒してしまいます。つまり、つつく動作もそうですが、お腹をさする動作でも、さっさと済まそうとして、移動の早さが、とても早い場合、腸の緊張を招き、硬くこわばったり、過剰に動いてしまったり・・・そうならない為には、普段から頑張っている自分のお腹を優しく労わるように、ゆっくりとさすってあげてくださいね。
- 注意3:強い刺激は腸への負担
- そして、自分で腸をマッサージしてあげる時に「もっと刺激すれば、もっと出るんじゃないか?」と思って、ついつい力まかせに、お腹をグイグイと捏ねてしまうと、先程も言いましたが、腸はとてもデリケートですから、その強い刺激により、腸は緊張を強くして、それが続けば、逆に腸が弱ることにも繋がります。
- 腸の特性も知らないのに目先の変化だけを優先するような方法を紹介してしまうテレビ番組や腸セラピー系サロンも増えていますから、それらの方法を鵜呑みにすることなく、腸には優しく接してあげて欲しいと思います。
筆者 美腸セラピー 松下先生
美腸セラピースクール
NPO法人健康増進技術協会 理事長
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