41:腸ケアで低体温症も卒業

 

最近は「低体温症」の人が増えているのをご存知ですか? よく言われるのは、36度よりも低い低体温の状態を方っておくと、免疫力が下がったり、PMSや不妊の原因にもなり、その対策として、とにかく冷やさない、出来るだけ温める、という方法を色々と試している人もいるかと思います。

もちろん、その方法で体温が上がってくれば良いのですが、慢性的に体温が低い状態の人は、腸からケアしていくことが必要となります。そこで本日は、低体温症と腸の関係についてのお話。

 

美腸セラピーで体温が上昇

先日も、当店に通われているお客様の体温を久しぶりに測ってもらったのですが、来店時で36度でした。この方が当店へ通われる前は、普段から35度台で、体調が悪い時には34度台まで下がると言っていた方です。

はじめてご来店された時は施術後には36.7度まで体温が上昇していて、とても身体がラクになったといって喜んで頂いてましたが、継続的に通っている現在は平常時の体温も上がってきているということです。

もちろん、この方だけでなく腸の弱りを抱える方は、お腹も冷たければ体温も低い方が多いので、その方達にも施術後の体温上昇を実感して頂いて、喜んでもらえています。

 

施術でなぜ体温が上がるの?

施術を受けると体温が上がる仕組みは、簡単にいえば「お腹にあるホルモン(セロトニン)を活発にしてあげると体温が上がる」ということです。 このホルモンが体温変化の情報を脳へ伝える役割があるので、腸が弱っていると情報が脳へ上手く伝わらず低体温症に。逆に腸をしっかり動かしてあげると情報もキチンと伝わり、体温も正常化する、というわけです。

さらに熱を作るのは筋肉ですが、筋肉へ刺激を与えるのもこのホルモン。だから、普段から腸がしっかり動いていると、筋肉も活発に動き代謝も良くなるので、腸の動きとダイエットも、実は密接な関係があるのですが、このお話も書き始めると長くなるので、また今度にします。

そして、熱を作る為には、その原料を補給しなければいけませんよね。その原料(栄養)を吸収するのは、もちろん腸ですから、腸が元気だと栄養の吸収も良くなり、熱の産生力も高まります。つまり、腸は体温維持にとても深く関係しているということです。

 

腸ケア時に注意してほしいこと

腸が弱っている人ほど低体温や冷えで悩む方が多いので、そのサポートを行う腸セラピストの方には、正しい腸ケアを行ってほしい。そういう想いで、ここからは施術者に伝える形で書いていきます。

まず、体温が低い方へのケア方法として、普通に腸への施術をおこなってあげれば体温も上がってくるのですが、例えば、過剰な刺激を与えるような施術では腸が疲れてしまうので、腸の緊張を緩めていくことを意識して、優しく施術をしてあげて欲しいです。

また、腸の運動力を上げても、熱を作るための原料が入ってこないと熱も作れないので、偏食や食べないダイエット等、エネルギー量が少ないと思われる方には、それに合わせた食事指導も必要です。

もし筋力に問題を感じたら、その方の状態に合わせて体操や筋トレ等を指導していくのがベター。 ただし、浮腫み等の血行不良が強い場合は疲労も残りやすいし、筋トレの効率も悪いので、さきに浮腫みや血流の改善をおこなったうえで、対象者の状態を見ながら提案してあげてください。

 

笑顔が腸の状態を教えてくれる

そして対象者をサポートする上で一番に考えてほしいのは、施術だけでなく、その方の腸が弱った原因を一緒に考えていきながら、普段の生活から改善を提案していくこと。

例えば、生活習慣に問題があると感じたなら、その部分へのアドバイスを行えば良いですが、もし心の疲れやストレスを抱えているなら、心の疲れが少しでもラクになるような時間を作っていくアプローチも大切です。

そして、心の疲れやストレスが原因となっている方の腸が元気になってきたという目安は笑顔です。腸が元気になると表情も豊かになり笑顔が増えてくる。腸が元気になると、血流も良くなり、身体の疲労がとれ、自律神経バランスも整って、良質な睡眠を得ることにも繋がります。

また、腸にいるホルモン(セロトニン)が、顔の表情を作る筋肉にも影響を与えているので、腸が弱っていると、顔の筋肉の動きが悪くなり、表情も乏しくなるんです。別の角度から見れば、メンタル系の不調を抱える方の殆どに腸の不調もみられますが、その方たちの顔から笑顔が減るのも、このホルモンの影響があると考えられます。

 

最後に

腸の緊張を緩めたり、腸の運動を亢進させたり、状態に合わせておこなう施術技術と、その方の腸が弱った原因を観察していきながら、食事や生活習慣から負担を減らすアドバイス

また、 心の疲れや自律神経の乱れも持っている方なら、自律神経バランスを整えると同時に腹の内に溜めた感情を吐き出したり、ストレスをコントロールする方法を一緒に考えていく

お腹は小さな面積ですが、じつは施術者が考えなければいけないことは盛りだくさんです。腸を扱うセラピストの方は、ぜひ色々な角度から目の前の人を一生懸命にサポートしてあげてくださいね。



筆者  美腸セラピー 松下先生

美腸セラピースクール
NPO法人健康増進技術協会 理事長
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2020年03月01日